2011年8月30日火曜日

飯田のアート(戦後から)



平面領域展も一昨日で無事終了しました。ご来場の方々ありがとうございました。さて、この展覧会とほぼ同時期に“展”という展覧会が飯田美術博物館の市民ギャラリーで開催されていた。とても評判のいい展覧会であったのでわたしも最終日に訪れた。小原泫祐という喬木出身の画家とその教室で学んだ5人の作家の展覧会でサブタイトルが『今、小原絵画との交錯』と言うものであった。



1963年に制作された『ねはん』という横180cm縦80cmほどの絵を見ていると 感性豊かな若者たちがアートの素晴らしさに触発され その道に入っていったことがわかるような気がした。



その若者たちとは 今村由男氏 木下以知夫氏 田中淑子氏 湯沢茂好氏 そして西村誠英氏であった。



この流は飯田のアートの出合としてとても興味深い。山本弘(画家)もたしか喬木出身であった。その辺りも踏まえて何とか飯田美術博物館の企画展として大きく膨らましてもらいたいと思う。

2011年8月21日日曜日

平面領域展Ⅲ











平面領域展が始まった。今回はみんな意欲的で正直びっくりしてしまった。一ヶ月くらい前の打ち合わせじゃあ、何にも手がついていないような事言ってたのに、蓋を開けてみればみんな凄い。私は完全に圧倒されてしまった。


いつもながら空間がおもしろくできたと思うし それぞれの持つテーマが掘り下げられていると感じる。ジャンルが異なる作品は制作の出発点が当然違ってくる。でも完成品の状態では全く境界がなくなって 見る人の心と二人称の会話に持って行けている。それがこの平面領域展のいいところと自画自賛・・・








2011年8月16日火曜日

専門家に口を出そう

盆休みで二晩続けて遅めのTV番組を見た。一つは福島原発事故に関して、事故の発生の可能性はアメリカの専門家の間ではもう何年も前から指摘されていたというものであった。福島の様子をTVで見ながらその専門家は水素爆発、そしてメルトダウンを予想していたそうだ。スリーマイルの事故以来最悪のシナリオも想定して対策を打ってきたアメリカと その情報の入手があっても技術レベルが高いからとの理由で、まともに手を打たなかった日本。・・・


阪神大震災の前 日本の土木技術は世界一と言ってたが 橋桁が折れて見事になぎたおれた高速道路の映像は鮮烈だった。ロボット技術だって たしか世界一と言ってたが福島の事故現場では何も出来なかった。たとえバイオリンが弾けても。


すべてが閉ざされた専門家たちに由来するような気がする。『素人が専門に口を出すな!』的な空気。
でも、一番大事な問題は素人にもわかる。(答は導き出せないが)

それは昔からだ。もう一つ見たTV番組の第二次大戦の参戦から戦線拡大までにも共通していた。戦争の方向性を決めるべき日本の中枢がこの戦争をどうもって行くべきか そもそもこの戦争にどういう意味を持たせるべきかさえ 議論して決めることが出来なかった。もちろん最悪のシナリオを想定をしてそれに備えるなんて、論外も論外、有ろう筈もなかった。


いま勤めている会社でも(地方の零細企業)出荷品に不良品が出ると それはもう大事だ。いつ作った品物で、ロット数はいくつで、原因は何か、なぜ流出したか、なぜ、なぜ、なぜ、とそれこそ尻の毛羽まで抜かれるような調査だ。


しかし閉ざされたところではものは隠される。よってたとえ国が滅びるような大きな因子も起きるまで手が打たれない。・・・日本は早くから専門性を持たせすぎるし、流動性を欠くのでは?

2011年8月11日木曜日

ハクビシン

10日ほど前から会社の駐車場にとうもろこしを喰い散らかした跡がたびたび残っていた。駐車場の隣は梅畑で その一角にとうもろこしが一列植えられていた。何本かは引き倒されたようになっている。これはたぶん奴の仕業だ。その後 大きなケージ状のわながその列の脇に仕掛けられていた。入り口がバネで、中の餌に触れるとバタンとしまる仕組みだ。奴らは賢い、こんなのに引っ掛かるわけがない。・・・
わたしも何年か彼らと戦っている。昔勤めていた会社の天井裏に住み着いていた。残業時間になるとガタガタっと騒がしくなる。あまりに気になったので天井裏に入ってみると数個の光る眼と おびただしい糞が確認できた。当時まだ保護動物扱いだったので市役所に出向き駆除許可を取り、近所の猟友会の方にわなを仕掛けてもらった。ぜんぜんかからずもう頭からハクビシンのことを忘れた盆休みの後 天井裏のわなの中で一匹死んでいた。
次に戦ったのは私のアトリエの天井だ。3年ほど前か。音がするので薬をまいて追い出し入り口をふさいだ。どれも厭な思いが残ったものだ。
そして今朝駐車場脇の檻にはハクビシンが入っていた。・・・野生の荒々しいものではなく 優しい目であった。
昼には、それは新しいセットになり 中の桃が妙に赤かった。