土の持つイメージの喚起力というものは、とても不思議で
見ていると 思わず触りたくなってしまう。そしてそれで何かしたくなってしまう。
私の 地元長野県飯田市には、<中村壁>とよばれる土壁がある。赤みの強い土を使った土壁で、主に内壁として作られた。その赤土の採れる場所に何気なく行ったときは 赤さの程にとても驚いた。
それが、私の素材としての“あかつち”との出会いであった。 以後ずーっとその赤土を使って作品を作ってきたが、発表の折 中村壁の色のようですね、と時々言われた。
見ていると 思わず触りたくなってしまう。そしてそれで何かしたくなってしまう。
私の 地元長野県飯田市には、<中村壁>とよばれる土壁がある。赤みの強い土を使った土壁で、主に内壁として作られた。その赤土の採れる場所に何気なく行ったときは 赤さの程にとても驚いた。
それが、私の素材としての“あかつち”との出会いであった。 以後ずーっとその赤土を使って作品を作ってきたが、発表の折 中村壁の色のようですね、と時々言われた。
しかしそのころまだ私は <中村壁>についてよく知らなかった。
中村壁は、およそ5~60年ほど前までは、飯田のお座敷、茶室などの内壁によく使われていたが、建築工法の変化とともに、次第に姿を消していった。その幻とも言うべき中村壁については、左官の勝野氏、南信州新聞社の村澤氏とともに3年ほど前、研究することが出来き、多くの人に反響を頂いた。風土の中にある美意識に共鳴できたことは 現代美術に携わるものとして、とても嬉しいことであった。
私は この赤土の持つ柔らかで、豊かで、少し華やかな感じを、Nakamura Brawn と呼ぶことにした。
私は この赤土の持つ柔らかで、豊かで、少し華やかな感じを、Nakamura Brawn と呼ぶことにした。
そして、この素材とかかわりながら、次の創造のページを進めていきたい。