2010年11月30日火曜日

耕す


米作りの工程の中で私がもっとも好きなのが この時期の田おこしだ。おこしと書いてさて漢字はどんななんだろう?起こすかな・・土を起こすから。 要するに耕すことなんだが・・・

刈り取りの終わった田んぼにトラクターでロータリーをかける。疲れた土に刻んだ藁と空気を混ぜいれ ふっくらとさせるのだ。

幼児の乗る三輪車のような速度で田を進む。歩くより遅いのだ。ちょっと日常のリズムと違う。実はそこがいい。初冬の景色を眺めいろいろ思いながら耕す。そのうちにいろいろな思いも消え、湿った土の黒さと枯れた藁のベージュ色を見るだけになる。なぜか豊かな気持ちになるんだ。

ボーっとして いつのまにか曲がっているトラクターにハッとする。耕された土の上で餌を探していたカラスに笑われたかな。

2010年11月22日月曜日

CAF.ネビュラ展ー3


昨日がこの展覧会の最終日であった。撤収のため妻と娘を連れ立って出かけた。二人ともこの自由な雰囲気の展覧会を嫌いではなかったようだ。しかし、たのしみは知らない町のショッピングのようだったのかもしれない。一回りした後 浦和の町に出かけて行った。
さて私は今度も作品の多様性を知ることになった。最初の部屋に置かれた大きな茶色のえんどう豆のような作品。作家の石田泰道氏と話をすることができたのだ。作品はいわゆる彫刻的な鑑賞にはおさまりきれないいろいろな意図が含まれていた。えんどう豆のくりぬかれた胴体の中には自然の中に身を乗り出すという、アクティブな行為が内在している。簡単に言えば、これでカヌーよろしく川を下るのだ。自然に対するパフォーマンスの痕跡ともいえるような作品だ。ふふーん!と深くと思った。若者だ。

無事撤収を終えて家に帰る途中、妻と娘に私の作品の感想を聞いた。妻はインパクトはないが静かに色が語りかけてきた、といってくれた。身内はありがたい。確かにいまひとつ弱かったかもしれない、頭も固かったか。今後につなげよう。一方娘は『色が薄くてつまらなかった、』と ひとこと。辛辣だ!

2010年11月18日木曜日

CAF.ネビュラ展ー2







CAF.N展のアーティストトークが14日の午後展示会場内であった。内容は主に田所一紘氏(メンバー作家)が主体となっていくつかの作品について(事前に作家にインタビューなどして) その意図などを語ろうというものである。“素直に、露骨に、不器用に、自分自身の心を表現する”というのが作家の出発点、では その作品はどのようなものだったのか?今までわたしは 大きな展覧会に参加してこなかったので、100点を超える作品たちをしっかり見ることはあまりなかったのかもしれない。とくに自分以外の 絵の方法論が違う絵には全く見入ることはなかった。しかし、自分の心を表すという根元から作品をながめると、また作家の話を聞くと見えてくるものがある。新鮮な気がした。たとえば渡辺武郎氏の“People-10-10"写真を反転させた群像で白昼夢のような風景。歩行者天国の群像がふわふわしていて幽霊のよう。私は普段だったら写真の質感が厭で立ち止まることもなかったかもしれない。しかし技術的な話を聞いているうちに人間の所在無さ、存在感が薄れていく怖さを感じてきた。作家の人間性に少し触れた気がしてうれしかった。


現代美術は多種多様。ヒントがないと理解できないアートもあるのだ。ただ、一頃のように、コンセプチュアルで まったく理解を超えるものは少なくなったと思う。

2010年11月17日水曜日

CAF.ネビュラ展-1


CAF.N展が先週から埼玉県立近代美術館で開かれている。昨年るたんでの個展以降に評論家の赤津氏や画廊の中島さん その他多くの人にご苦労頂き、この展覧会のメンバーに加えていただいた。春には 横浜で この展覧会の支展的な位置づけのCAF.N横浜展が行われこれにも参加させていた。多くの現代美術作家の中で 自分の作品が展示されるということは意義深い。いろいろな視点で現代美術を見ることができる。自分自身も見られる。

少し 徐々にそのあたりを考えて見ようと思っている。

2010年11月13日土曜日

コンペ


10日ほど前突然 版画家の北野さんから電話をいただいた。ブルガリアの画廊が主催するミニペインティングのコンペに参加してみないか、というものだった。たしかその画廊さんは北野さんたちとお付き合いのある画廊でLessedraさんと言ったはず。 以前 飯田にこられたとき偶然ミュー美術館で私の個展を見て名刺を置いていかれた方だ。あの時直接お会いできなかった事と、私の貧困な英語力のため、こちらからコンタクトを取ることをためらっていた。それがこの一報!あわてて作品作りに没頭した。いやいやそれだけではない。コンペ参加費の送金、エントリーホームの入手、そしてプロフィールの英訳・・・私には手におえないことばかりだった。北野さんやOさん、Eさんに助けていただいてやっと先週ブルガリアに小品3枚送ったところだ。きのうLessedra画廊のMr.Georgiから参加を喜んでます。とメールがあった。こちらもうれしかった。ひと段落だ!

あとは、来月 出るだろう結果を待つことにする。すこしどきどき。