米作りの工程の中で私がもっとも好きなのが この時期の田おこしだ。おこしと書いてさて漢字はどんななんだろう?起こすかな・・土を起こすから。 要するに耕すことなんだが・・・
刈り取りの終わった田んぼにトラクターでロータリーをかける。疲れた土に刻んだ藁と空気を混ぜいれ ふっくらとさせるのだ。
幼児の乗る三輪車のような速度で田を進む。歩くより遅いのだ。ちょっと日常のリズムと違う。実はそこがいい。初冬の景色を眺めいろいろ思いながら耕す。そのうちにいろいろな思いも消え、湿った土の黒さと枯れた藁のベージュ色を見るだけになる。なぜか豊かな気持ちになるんだ。
ボーっとして いつのまにか曲がっているトラクターにハッとする。耕された土の上で餌を探していたカラスに笑われたかな。