11世紀から12世紀ころのフランス、スペイン、そしてロンバルディア(イタリア北部)に生まれたロマネスク文化はとても興味深い。いかにもヨーロッパ中世文化でいつ見ても魅かれるなー。二~三日前も図書館で思わずそんな本を手にとってしまった。
教会がそのころ一斉に建てられたという。西欧では古代ローマの文化はすでに滅びラテン語はローマ教皇の周辺だけだった。まともな書き言葉など持たぬゲルマンの諸民族は戦いながら住む地をもとめ 徐々にキリスト教を取り込んでいった。そしてやっとどうにか落ち着いてきた村々は石で教会を立て始めたのだ。彫刻はそんな教会の壁や柱を飾った。
平和を望む人々の気持ちの結晶が教会だったのだろう。だから そこに付属される彫刻はとても素朴で平和を求める意識がつよい。ローマギリシャの写実性など全くうかがわれず、一途に神を敬う精神性があり 私には快い。
それらのレリーフや彫刻は ある意味 アフリカンアートの民族彫刻や ガンダーラの仏像のように
名もなき職人が造り 多くの人々が拝み擦った。なにか何処とはいえない何処かにその多くの人々の心が入っているようだ。だから 美術館にも個人の邸宅にもあるべき場所としてそぐわない。
今風のアートとは次元が全く違う気がする。薄っぺらな流れだ!
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