あわただしく過ごすうちに とうとう見逃してしまった。どうも生来のつむじ曲がりが評判になりすぎた展覧会を斜に捉えすぎていたようで反省している。実は草間ファンなのである。
ニューヨーク時代のソフトスカルプチャーやドットの作品は若い頃から「いいな」と思っていた。浪人時代 鎌倉の古本屋で60年代の美術手帳をいっぱい買ってそこで彼女に出合った。その頃の作品はまだ、今頃の作品で鑑賞できる楽しさのようなものは感じなかったけど 心にぐっと来た。ミシンで夜中 例の突起物を縫っていたという記事だったかなー。(白黒の小さな写真だったから余計にドキュメンタリックで辛口な印象であった。)
インタビューなどで堂々と自分を「前衛芸術家」と呼んでいて なんか気持ちいいな。
彼女の手記のようなものが朝日新聞に十回ほど掲載されていて、興味深く読ませてもらった。彼女はご存知のように若くから統合失調症のような病に悩まされていた。それに立ち向かうことと、”社会性”=日本的には普通であること への無限のプレッシャーと戦い続けていたと思う。
ニューヨークに行くことで少なくとも日本的な社会性からの解放はあっただろうな。それから 実に素直な人だから 周りのすばらしい人たちから「前衛芸術家」なんだから社会性なんかいらないよ、と言ってもらえたのじゃないかな。
でもでも、疲れて果てて73年には日本に戻ってきているようです。(このころどんな活動していたのか興味がある・・・)
80年代のバブルの頃は 長野県駒ケ根の美術館で作品をたくさん集めていたので、私は後によく見に行きました。「社会のことなんか関係ないよ!」といった印象がなんとも小気味よかったな。*芸術は自分を守るもの。*やっぱり一生かけて戦っていたテーマは 「前衛芸術家」にふさわしく説得力がある。この頃の作品の楽しさは 若い頃の魂の叫びが根底にあるから フワフワしてないんだろうな。しっかりと私たち伝わる。
ああ、展覧会行きたかった。
2017年5月26日金曜日
2017年5月12日金曜日
メキシコチアパスの画家たち展 in Yokohama
横浜の神奈川県民ホールで開催されていたチアパスの画家たち展は昨日で終了しました。多くの方にご来場いただいた模様で大変うれしく思いました。(但し提携展として横浜石川町の岩崎ミュージアムでの同名展覧会は21日まで開かれています。)私たちのグループは一昨年メキシコのチアパスに住む日本人画家花藤章氏とそのメキシコ人画家仲間との交流をつづけ、今回日本にお招きすることになり この展覧会が実現したわけです。
私はメキシコに行けなかったので、メキシコの方々とは初めての対面になりました。花藤氏は42年前にメキシコに渡り画家としてやって来られた方なので見た目以上に日本語が通じました。そのことを言うと「日本人ですよ・・」と照れていました。素朴で純真な人柄に触れた気がして、ぜひ機会があれば私も当地を訪れたい気になりました。
また、一緒に来日した作家の一人はマヤの部族の血を継ぐ人がいてなんとも魅力的な絵を展示してくれました。部分の写真をアップしておきます。美術の技術には興味がなく伝えたいことを素直に描いていていいなと思わず言ってしまいました。
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