2011年1月22日土曜日

タクラマカン


親しくしている額やさんのタクラマカンが昨年の暮れで10周年になったという。そうか...と感慨深い。10年前 彼と彼の友人たちと知り合ったことは、私にとってとても救いだったことを思い出す。バブルがはじけたころ 私は田舎に帰ってきて親戚の会社に勤めていたが、何をやっても八方塞の感から抜け出せずいいた。



阪神大震災から16年が経つとテレビが17日に伝えていた。ちょうどそのとき私は飯田美術博物館の市民ギャラリーで初めての個展を開いていた。滋賀から来た友人と楽しく飲んだ翌朝あわてて帰っていった。



その後 自分の絵の方向性や、生き方のようなものが、田舎の暮らし(伝統的で保守的な)と どうしても合わなくて 自分が縮んで行くような感覚になっていたと思う。



たとえば絵を額に入れたいと思っても、シンプルで斬新なものなど見つけることができなかった。自分でやっても思うように行かなかった。あきらめ半分でパン屋さんでもらったチラシに電話したのがタクラマカンだったのを今でも覚えている。



画一的な暮らしでしか、生きていけないと思っていた田舎で この若者たちは(当時のタクラマカンとその友人たち)貧しくても自分のオリジナルの息をしている!と感動したのだ。



あれから10年 増築もして風格も出た。もっと世の中の画一化と戦ってもらいたい。エールを送らざるを得ない。

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