2012年6月9日土曜日

風景のなかに身を置く

上田の夢の庭画廊にここ飯田から行くには岡谷のインターから和田峠を越えていくのが(正確には和田トンネルを潜って行くのだが)一番早い。先月はちょうど若葉の萌える季節だったから何とも美しい景色を車の窓越しに堪能した。なんと無限の緑色なんだろう!長和町辺りの谷は旧中山道で長い時間さえそこには見える。もっともっと味わいたかった。写真を撮ってその感動を固定したい(留めたい)と思ったが撮った写真は何とも違っていて不満だった。ゆっくり写生でもしてみたいと思った。そんな時東山魁夷的な日本画の抒情感も同感できた。静で崇高な気分にもなる。
一般の人々が風景画を好むのも納得する。とても素直な気持ちだ。
以前友人に『なぜ風景画を描かないの?』と聞かれたことがある。・・・む・・ 未だに的確に答えられない。写真に撮っても風景の中にあの感動が封じ込めれないという無念感が絵を描いてもあるのかもしれない。あの感動はその時期の自然の中に入って行ってこそ得られるものとなかば諦めている。

そして 微かに思っているのは 自然に対する感動は崇高で 自分の暮らしや生き方を問題にすることが嫌になってしまう。逆に言えば 自分の生きる次元での問題意識をテーマにして絵を描いている自分にはあまりに飛躍しすぎて 自然を描くことはそれこそ絵空事に思えてしまうのかもしれない。
なぜなら自然が美しいのは だれもが認めることだから。

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