2012年8月12日日曜日

アグリッパ

ローマ皇帝アウグストスの副官アグリッパはわれわれにはデッサン用の石膏像として有名であった。中学の美術室にはたいがい備え付けられていたのではないだろうか。紀元前50年ころから300年間(パックスロマーナ)の平和の時代人々は現実主義を生きていたという。たしかにアグリッパの像は写実以外のなんの興味もなさそうで、意志の強そうな軍人の顔つきの表現が爽快だ。また2000年を経たわれわれがその表現を理解できるのも 変な気がする。
そしてその同時代に イスラエルではユダヤ教の中からキリスト教が生まれひたひたとローマに浸透していった。そのころの心を表現した何かに出会いたいと思ったが不勉強なせいかまだない。とここまで書いて 新約聖書がそれそのものではないかという気がした。パオロの手紙とか読んでみよう・・・ちと難しいかな 私には。
アグリッパをわれわれがデッサンした若いころ 目的は物の現実的把握 客観的なものの見方のためであった。その訓練が毎日毎日のデッサンであった。では、その対極にある精神性 または宗教性は何によって高められるのだろうか、前のページでも書いたが ビザンチンを経てロマネスクに至ったキリスト教の壁画にはとても不思議な平和(精神性の高み)がある。パックスロマーナから数百年の所謂暗黒の時代がなにをどうしたのか?

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