2015年7月31日金曜日

アートをめぐる3人展

前々回のブログで少し触れたのですが、高校の美術班のメンバーが40年の時を経て、地元で3人展を開催できることになりとても嬉しい、 手塚君の発案に感謝。そして同級生のご協力にも改めてありがとうを言いたい気持ちである。
案内状を準備しながら 少しづつあの頃を思い出す。芸大合格をめざしデッサンをまじめにしていた樽沢君、そういえば文化祭のシンボルタワーにも力を注いでいたな。美術だけではなく文学的素養を持って絵に取り組んでいた手塚君、批評眼はあの頃も素晴らしかった。私は取り組むべき芸大受験もなかなか打ち込めなかったが、アートが全てだとだけは考えていた。若気の至りだ。
40年はそれぞれの道にそれぞれの重みを持って過ぎていった。つくばで窯を持つ陶芸家樽沢、教職を経て日本画家として本腰を入れ始めた手塚、そして私は相も変わらずアートがすべてと思いつつも現実は会社勤めの日々であった。やっと定年が過ぎ絵描きの暮らしだ。さてさてどんな展覧会になるのだろう・・・そして第三者にはどんな意味になるのだろう。人生に対する考え方が 高校のころから漠然としながらも少しづつ異なっていた。それがある形になっているのだろう。とても怖いが 見てもらえることを良しとする余裕らしきものが この年になるとうまれる。余裕というより諦めなのか・・・
同級生はもちろん多くの方々、ご高覧を!
そして人生を語ろう・・・・・・・・・8月20日木曜日から25日火曜日まで。終日私は在廊の予定です。
オープニングパーティーは初日5時半から。

2015年7月23日木曜日

ミホミュージアムの若冲と蕪村展

春の展覧会で出会ったお客さんに「ぜひ行くように!」と勧められた信楽の美術館を昨日やっと尋ねることができた。人里離れた山の奥に突然現われるその建物は殊の外おしゃれな物だった。
企画展が『若冲と蕪村』というもので 先日澤田著『若冲』を読んだばかりの私にはとてもタイムリーな展示と言える。遠路来たかいがあるというのもだ。
2人は同世代京都で活躍したということでこういう企画となったのであろうが、なんか蕪村にはかわいそうな展覧会に思えた。文人画家について私は無知なので何も言えないが絵としては正直惹かれなかった。まじめだが楽しい想いを感じることができなくシブーイ感じだった。(よくサッカーの試合で苦戦してやっと引き分けたときに使うあのシブーイの感じ)
一方 若冲は頭の中に「絵はこうあるべき」なんて考えてないからおおらかで思わず笑いがでそうに楽しめた。彩色画展示はほとんどなかったが、水墨の水をたっぷり含んだハーフトーンの柔らかさはうなるしかないほど美しかった。水墨画は気張った感じがないから余計に自由さを感じた。
蕪村は大阪の貧しい百姓の出で 京の都で文人画家として名を成すにはそれはそれは厳しい人生であったことであろう。かたや若冲は京の大店の出。貧しさと豊かさ その対比でこの二人を見ていいのだろうか?そう思うとこの企画の意図が いまいち解らない。

2015年7月21日火曜日

ギャラリー暁のグループ展、そして3人展の予告

今月から来月にはグループ展が続き 今は銀座のギャラリー暁で現代絵画・抽象展が25日(土)まで開催中。私は『水樋』という作品を出品しています。近くまでお越しの方はぜひ立ち寄りを。

さてここにチラシを掲げましたが8月には地元で懐かしいメンツ3人の展覧会を開催いたします。
オヤジ面を並べて恐縮至極ですが 高校時代の美術班同期の3人樽沢泰文(陶芸)、手塚俊尚(日本画)と私が、やっと展覧会にこぎつけました。
60歳を超えると以前あった妙な功名心というか 見栄のようなものが抑えられて 肩を張らず発表ができそうです。なんかとてもうれしい気持ちでうきうきしています。
さてさて多くの方々 同級生たちが見に来てくれることを期待してチラシ配りに奮闘中であります。なぜか作品作りが手薄気味なのが気がかりではありますが・・

2015年7月8日水曜日

若冲、エフエム、グループ展

1) 澤田瞳子著『若冲』を読む。生涯独身、京都の豪商の跡取りで若くして弟に店を譲り絵三昧の生涯、冴えに冴えた色と形・・・。私にとってミステリアルな作家であリ続ける若冲の物語ということで、急いで取り寄せ読み始めた。
内容は、;実は妻がいたがすぐに自殺してしまう。大店の商いには意欲がなく母親ともうまくいかず、結局店を実弟に譲る。また、その自殺した妻の弟とはその死に関して確執が生まれる。そんな状況で、若冲は好きな絵に逃げ込まなければならなかった。義弟は若冲の贋画家となり陰でぴったりとまるでストカーのように偽物を作っていく。確執はますます深くなる。・・・丸山応挙、蕪村、谷文晁が登場してその時代が立体的にイメージできた。が、彼の魅力を特異の画家、人間の醜いところを見つめた生き様、と割り切るのは少し残念に思った。なんかもっと深い人間の未分化の部分でオリジナルな生き方を求めていたような気がする。そこが私を引き付けている部分であるが・・・
2) 飯田エフエム放送のてらだいらさんの番組『マイ フェーバリット シングス』に呼んでいただいたので、7月の毎週金曜日の午後1時過ぎに10分ほどお話をしている。絵の話のつもりで行ったのにいつの間にか、イタリア料理になってしまった。
3) 今週は銀座のギャルリー志門でグループ展〈想像力&創造力〉に参加しています。会場に居て来客と話をしたいなと思っていてもなかなか東京は遠い。積極的になれないのはなぜなんだろう?心にエレルギーが不足している・・・かな、それとも金欠。梅雨はまだまだ続きそう。