春の展覧会で出会ったお客さんに「ぜひ行くように!」と勧められた信楽の美術館を昨日やっと尋ねることができた。人里離れた山の奥に突然現われるその建物は殊の外おしゃれな物だった。
企画展が『若冲と蕪村』というもので 先日澤田著『若冲』を読んだばかりの私にはとてもタイムリーな展示と言える。遠路来たかいがあるというのもだ。
2人は同世代京都で活躍したということでこういう企画となったのであろうが、なんか蕪村にはかわいそうな展覧会に思えた。文人画家について私は無知なので何も言えないが絵としては正直惹かれなかった。まじめだが楽しい想いを感じることができなくシブーイ感じだった。(よくサッカーの試合で苦戦してやっと引き分けたときに使うあのシブーイの感じ)
一方 若冲は頭の中に「絵はこうあるべき」なんて考えてないからおおらかで思わず笑いがでそうに楽しめた。彩色画展示はほとんどなかったが、水墨の水をたっぷり含んだハーフトーンの柔らかさはうなるしかないほど美しかった。水墨画は気張った感じがないから余計に自由さを感じた。
蕪村は大阪の貧しい百姓の出で 京の都で文人画家として名を成すにはそれはそれは厳しい人生であったことであろう。かたや若冲は京の大店の出。貧しさと豊かさ その対比でこの二人を見ていいのだろうか?そう思うとこの企画の意図が いまいち解らない。
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