ビエンナーレ形式のこの展覧会は今年が開催年だ。なんか早いなー、もう二年たつんだから。今月24日から9月1日まで、飯田創造館と今年は松尾の犬塚邸、および中央通の吾亦紅でも開催となる。いつものメンバーなので、殆ど桐生さん任せで「後は展示のとき会いましょう」、という感じである。いいのかなーと思う反面 あまり揉めなくてらくだ。
いいのかなーって感じるのは 当初は現代美術をもっと知って貰いたい、という意識が強かったので「みんなでちょっとした風を起そうぜ」なんて意気込んでいた。・・もうぼつぼつ10年の時が流れるのかなー、飯田の文化意識は菱田春草に代表されるような近代好きで アートというより書画骨董系のファンが多かった。だから鑑賞のテーマは『安定』、『調和』、『美』が基本。 不安定な心を表現する といった考えは敬遠されてきた。例えば山本弘の手法は現代美術ではないが受け入れられなかった。日展系日本画が主流だったといえよう。だから絵を学ぼうという人たちも形から入ってそれでよしとしているように見えてならなかった。
私たちは 今この飯田に生きていてこんな思いで暮らしているんだといった心持を表現してみた。それは全く『調和』でもなければ『安定』でもない、所在無い一人間の悲しさみたいなものだ。この表現にどう反応してくれるかが(ありきたりの美にありきたりの感動するのではなく) 現代美術のひとつの基本的な形ではないかと考えてこの展覧会を始めたと私は考えている。
決して私たちのやっていることが新しいことだから田舎で発表しているんだとは全く思ってはいない。例えば私が挑戦している抽象画は すでにその抽象性がゆえに「何がなんだかわからん」とか「描きたいものを描いてなぜ悪い」とか批判を受け絵画の危機といわれるに至った。そして登場したのが奈良美智や村上隆たちだ。・・・そんな世代がちょっと倦怠期のこの展覧会にも参加してほしいものだ。
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