2013年8月17日土曜日

夏のばら

今年の夏はほんとに暑くてつらいな、と嘆く日々である。でもつらいのは実は展覧会を前にした憂鬱であるとも気がついている。
昔から自分の絵が[所謂世の中から]認められたいと切望していた。しかしこの歳になると それはちょっと現実離れした夢ではないかとわかり始めるに至る。だって日本では百人足らずの絵描きしか絵では喰って行けないそうだから。ちなみに文筆家は50人余だそうである。あれだけ毎年芥川賞や直木賞やらで新人が華々しくデビューしてるのに・・・
今年に入ってから そんな気分だから『好きな絵を描いていけばいいじゃあないか』とわりとゆるく構えて絵を描いていた。ところがここのところ全く筆が進まないのだ。根が真面目な私は何ともすっきりしない日々となってしまった。 自分の中で[所謂いい絵]という価値観が頭を擡げてきてしまったのだろう。自分の作品は汚くて 弱くて云々・・は許せないと自分を縛り始めたというわけだ。こういう葛藤は「今さら何を言ってんだ」感がいっぱいだが 今さら悩まされる。大事なとこだけ見てればいいんだよ 怠惰でもいいんだよ と自分に言い聞かせ久しぶりに筆を持つ。ばらの色にいやされる。

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