2013年2月3日日曜日

どこか柔らかで優しい作品たち

飯田市美術博物館にて『現代の創造展』の展示が昨日終わっていよいよ本日オープン。新しいジャンル『コンテンポラリー』がどのように来館者に伝わるのだろう・・
この会の先輩で“IIDA-B-KEN”の西村誠英氏から先日お手紙を頂戴した。彼はこの展覧会の立ち上げ当時から関わって発足当時の流れとその問題について書いてくれた。そしてその問題に対する会との意識の差が彼を脱会に至らせたそうだ。
その会とは『飯伊美術家美術集団の会』というもので大きくこの地の作家を括ったものらしい。組織はかなり曖昧であるが 今でもこの会が創造展を開催しているようだ。(私は実行委員会のメンバーだがこの会に入った記憶はない)
さて、 西村氏こう語っている。---現代美術の企画など活動していた私がなぜその会に入ったのか?会の構成メンバーである南信美術展やリア美展の作家たちは公募展に出品しながらも相互に交わり作品の相互批判を真摯に行っていたから。しかしその後 入選 受賞 会員 といった外的現実が各々の創造精神を失わせ 中央の価値観に飲み込まれていってしまった。もはやこうなると芸術に関する本質論は語ることはがばかられ ただただ自分の作品が公の場に如何に展示されるかが重要となってしまった。---
まさに私たちが今感じている問題が西村氏をも悩ましていたのだ。
150人余の作家たちを展示するこの展覧会 残念だが多くの作家たちは自由に作品を創り自由に発表することよりも組織の中の自分を大事にすることを良しとしている。こんな作家の姿勢を見ている若者たちはそんなアートに憧れなど持ちようがないではないか!
私はコンテンポラリーと名づけたこのジャンルにどこかで見たような斬新さ(?)を求めているわけではない。少なくとも自分を取り巻く組織が自分を規制しているのならそこから自由になって自分の言いたい自分の言葉を発しようと言っているのだ。自分の価値を認めて自分を高めていこう と言うものなのだ。
昨日展示を終えて感じたのは おとなしい感じだな、と言うことだった。でもそれは否定的に言っているのではない。若い作家世代は優しさに敏感なのだ。これは西村氏世代にはなかった価値観のように思う。希望はあるぞ!と思った。

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