2010年11月18日木曜日

CAF.ネビュラ展ー2







CAF.N展のアーティストトークが14日の午後展示会場内であった。内容は主に田所一紘氏(メンバー作家)が主体となっていくつかの作品について(事前に作家にインタビューなどして) その意図などを語ろうというものである。“素直に、露骨に、不器用に、自分自身の心を表現する”というのが作家の出発点、では その作品はどのようなものだったのか?今までわたしは 大きな展覧会に参加してこなかったので、100点を超える作品たちをしっかり見ることはあまりなかったのかもしれない。とくに自分以外の 絵の方法論が違う絵には全く見入ることはなかった。しかし、自分の心を表すという根元から作品をながめると、また作家の話を聞くと見えてくるものがある。新鮮な気がした。たとえば渡辺武郎氏の“People-10-10"写真を反転させた群像で白昼夢のような風景。歩行者天国の群像がふわふわしていて幽霊のよう。私は普段だったら写真の質感が厭で立ち止まることもなかったかもしれない。しかし技術的な話を聞いているうちに人間の所在無さ、存在感が薄れていく怖さを感じてきた。作家の人間性に少し触れた気がしてうれしかった。


現代美術は多種多様。ヒントがないと理解できないアートもあるのだ。ただ、一頃のように、コンセプチュアルで まったく理解を超えるものは少なくなったと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿