2014年4月17日木曜日

20世紀的アートを考える

「個の屹立展」のオープニングに参加するため銀座に出かけたので午後の空いた時間に画廊巡りをすることにした。幸運にも赤津先生とご一緒することになり 京橋辺りまで足を延ばした。赤津氏が評論した作家の個展会場にいった。花見宴展というタイトルなのでとてもこの時期らしく華やかな展覧会と思っていたら とても静かな風景の絵たちであった。花見宴は本名ということで物静かで端正な文学者または詩人風の中年の方であった。絵はとても色が純化されていて形体も迷いのない段階まで自分のものにしているようにみえた。それは誠実な感じがして心が和んだ。ただ人生の孤独のような寂しさはしっかり感じた。
個展会場で初対面の作家とある程度深い話ができることはそうはないが赤津氏と一緒だったので作家の方もそう警戒せずに心を開いてくれた。このタイプの作家とは特に貴重な経験ができたと思った。
彼は暮らしの周辺の景色などを納得がいくまでデッサンし頭の中で消化できたあと何も見ないで絵を〈油絵)描くそうである。すべてに迷いがない感じはそこからきているのか。
寂寥感については彼の生き方、暮らしが反映されているのかもしれない。それは魅力のひとつで訪れる人々が皆感動していた。私はそれについてやや不安を感じる。社会と個人の関係はゴッホのように時に悲劇につながり 同時にアートに比類のない価値を与える。甘味なストーリーだが、袋小路・・・(太宰を読み続けてはいられないような。そんな感じ?)
私は20世紀的な価値観として それをひとまず横に置いて 異なったアートを見出したいと思ってしまう。

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